(DJ SHUFFLEMASTER)

DJ SHUFFLEMASTER

1994年、初期ジャパニーズテクノを牽引してきたレーベルSUBVOICEを立ち上げ、DJ SHUFFLEMASTER名義でのデビュー作「FREESTYLE TRAXX VOL.1」をリリース、デビューシングルがイギリスNMEダンスチャートの1位を獲得し、一気に海外シーンからも注目されるDJとなり、ヨーロッパツアーを敢行。1995年、SUBVOICE名義でのリリースを挟み、セカンドシングル「HARLEM SHUFFLE EP」をリリース、ミニマルテクノクラシックとしても評されるこの作品は好セールスを記録し世界のDJから年間ベストディスクとも言える支持を受けた。

*DJ SHUFFLEMASTER – Untitled ( Freestyle Traxx 2 (Harlem Shuffle) – A1 )

また、この頃よりのちに数々のフロアバスターを投下し続けることとなった石川県出身の盟友CHESTER BEATTYとのコンビでの作品を発表しはじめた。

*Chester Beatty vs DJ SHUFFLEMASTER – Untitled A – Beat Boxx EP

1998年に発表した「ELEKTRONIQUE DWELLER」は、この時期に量産されていた1小節のループトラックミニマルとは全く異なる独自の質感、音色、グルーヴ感を打ち出し、ミニマルテクノの進化を推し進める作品にDJやクリエーターからの絶大な支持が集まることとなる。この年、ドイツテクノの聖地であり、トップテクノレーベルも運営するTRESORに招かれプレイ、後にTRESORのコンピレーション『TRESOR 7』に”INNERVISION”を提供。また同時期、自身のレーベルとなるHOUSEDUSTを設立、同名のパーティーは日本のテクノ総本山とも言われたMANIAC LOVEで開催されていた。

*TRESOR…1989年のベルリンの壁崩壊以降、まだ小さなシーンではあったが、当時の西ベルリンにはすでにアメリカからデトロイトテクノが流れ込んで来ていた。まさに新時代の幕開けに相応しい、インダストリアルでエネルギッシュなテクノサウンドに魅了された東西の若者たちは、廃墟の中で結集し、新たなパーティーシーンを作り上げていった。その最中の1991年、Dimitri Hegemann氏により設立されたのがクラブ、そしてレーベル機能を有したTRESORだった。オープン直後のTRESORにMad Mike(Underground Resistance)とJeff Millsを招いたことをきっかけに、ベルリンとデトロイトのテクノシーンの交流がはじまった。

*Bleep Mix #261 – DJ Shufflemaster – Live at Maniac Love, Tokyo / MANIAC LOVEでのJeff Mills来日公演の際の音源

そして2001年、TRESORより満を持してファーストアルバム『EXP』をリリース。そのコンセプチュアルでオリジナリティー溢れるアルバムはダンスシーンから高評価を獲得、またSUBVOICEからリリースしたシングル「GAYLANG」が大ヒットを記録し、世界から熱望されるアーティストとしての位置を確立した。

*DJ SHUFFLEMASTER – EXP / 2023年1月には収録曲を変更しアートワークもデザイナーSk8thingの手により一新されて再発

*DJ SHUFFLEMASTER – Geylang

*当時のフライヤー

*DJ SHUFFLEMASTER live at METAMORPHOSE 2001

ゼロ年代前半までの約10年間をワールドワイドに疾走したが突如活動停止。2012年、10年以上に渡る沈黙の歳月を経てKANAMORI名義によるアルバム “DISMANTLED DESIRE” を新たに立ち上げた「四季協会」レーベルより突如リリースしシーンへ復活を果たす。以降も四季協会レーベルからの作品リリースの他、シカゴ・ゲットーハウスのレジェンドにして2025年に惜しくもこの世を去ってしまったDJ FUNK、90年代からの盟友でもあるCHESTER BEATTYとのプロジェクト等のリリースを重ねている。

*DJ SHUFFLEMASTER & CHESTER BEATTY featuring DJ FUNK – OUR HOUSE MUSIC (DJ SHUFFLEMASTER REMIX)

2022年夏、17年ぶりにTresor BerlinでのDJプレイ、続くコロンビア、メデジンでのフェスティバルでメインアクト5時間セットを披露した。2023年12月には再度のコロンビアー4都市ツアーを実施。メデジンではSteve Bicknell、Kr!zとともにB3Bセットを披露。2025年2月、約四半世紀ぶりにニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコの北米3都市をまわるツアーをおこなった。

継続してリリースし続ける楽曲、リミックスワーク、DJパフォーマンスに世界各国、各都市のテクノシーンから称賛、要望されている日本のテクノ黎明期から活動を続ける伝説的ともいえる存在。

*outlaw presents: DJ SHUFFLEMASTER ‪@TheLotRadio‬ 02-23-2025