(Joana Queiroz & Manami Kakudo)

Joana Queiroz & Manami Kakudo

Joana Queiroz – ジョアナ・ケイロス
‍「音は、言葉よりも先に感じるもの」
「音楽を“語る”のではなく、“聞くこと”が私の創作の出発点です。」
「自分の演奏の半分は“聞くこと”だと思う」
— Bandcamp アーティスト声明より

クラリネット、バスクラリネット(clarone)、サックス、フルート、ピアノ、パーカッションなどを用いて即興性と構造的な作曲手法を融合させ、ブラジル音楽、ジャズ、環境音、電子音響を有機的に結びつける音楽家。

自身のクラリネットと歌声、自ら収集したフィールド・レコーディングの素材やアナログシンセの音色を多重録音して、螺旋的に円環的に展開された音が自然へと解き放たれる。

2000年代初頭、Itiberê Orquestra Família* のメンバーとしてキャリアをスタートさせ、その後、Hermeto Pascoal、Arrigo Barnabé、Gilberto Gil、Egberto Gismonti、Joyce Moreno、Mônica Salmaso、Maria Beraldo、Rafael Martini などと共演。
「Festival de FRUE 2019」では Quartabêの一員として、来日。

*Itiberê Orquestra Família=本年9月に逝去したブラジル音楽の至宝、Hermeto Pascoaとともに40年にわたり活動してきたItiberê Zwargが才能溢れる29名の音楽家を束ねて完成させた『PEDRA DO ESPIA』はブラジル音楽の金字塔としても高く評されている

CDでリリースでリリースされた2019年の5thアルバム『Tempo Sem Tempo』は、ブラジル盤のみでLPが出回っていたが現代的な先鋭ジャズを追求するドイツのレーベル、Squamaからライセンスされアナログリリースされた。Caetano Veloso、Gilberto Gil等のカバーも交えながら多層的な進行、リズム、息遣いまでとらえるような音のディテール、反復、変化、レイヤーが織りなすアンビエンスと人肌的な温もりをまとった奥ゆかしい音世界を創り上げている。

*Joana Queiroz – Tempo Sem Tempo



角銅真実 – Manami Kakudo
長崎県の山と川に囲まれて育った音楽家、打楽器奏者。マリンバをはじめ、声や言葉、オルゴール、カセットテーププレイヤーなど音を発するあらゆるものを素材に、ジャンルを越えて自由な表現を続ける。東京藝術大学では打楽器を専攻。ソロ、バンド、舞台、インスタレーションと活動の幅を広げながら独自の音楽観を育む。2020年、石若駿や中村大史らも参加したメジャーデビュー作『oar』を発表。フィッシュマンズや浅川マキのカバーも交え、澄んだ余白と温度のある音楽世界を立ち上げる。

*角銅真実 – oar

2024年には、地元長崎の民謡やバリ島でのガムラン体験、長期滞在したアルゼンチンでのインスピレーションを取り入れた4年ぶりのソロアルバム『Contact』では生々しい呼吸感に満ちた作品を発表。個性的なヴォーカルと、これまでフリー・ジャズや即興演奏が培ってきた実験との融合という音楽性を昇華。前作の質感を、ヴォイスパフォーマンス、リズムパターン、フィールド録音などフリーフォームなアレンジにより、現代音楽や南米実験音楽といった彼女本来の核となる立ち位置でブラッシュアップさせた2枚組作品は高く評価されている。

*角銅真実 – Contact

*角銅真実 – Carta de Obon

Interview – アルバム『Contact』オフィシャル・インタビュー – 角銅真実

これまで複数回出演したFESTIVAL de FRUEでは、その繊細なパフォーマンスがフェスティバルの空気と溶け合い観客を魅了。ここでの共演をきっかけに、アメリカのフォークシンガー、Sam Amidonのコンサートにもゲスト出演するなど、音楽の旅をさらに広げている。
cero、dip in the pool、滞空時間への参加、映画や舞台作品への楽曲提供など、場に応じて自在に変化する角銅の音楽。打楽器の枠を越え、音の温度や揺らぎを丁寧に掬い取るその表現は、高田みどりやジャズ界で一際輝く経歴を持つドラマー / パーカッショニストであるPaul Motianにも通じるしなやかさと冒険心に満ちている。

*角銅 真実 Manami Kakudo Band set

10月25日に開催されるShift (Layered)ではJoana Queirozと角銅真実によるコラボレーションでの演奏が披露される。