(PRESEN TATION – VOL.1)

PRESEN TATION – VOL.1

SIDE CORE個展「SIDE CORE|Living road, Living space」に先立ち、行われたイベント「PRESEN TATION – VOL.0」につづく「PRESEN TATION – VOL.1」を開催。「PRESEN TATION」は、美術館を「展示するだけの場所」ではなく、「何かが生まれる場所」として捉え直すプロジェクトとして始動した。

本プログラムでは、美術館をより開かれた公共空間=「生きている場所/Living space」として再解釈し、実験的かつ即興的なプレゼンテーションを展開する。前回のVOL.0は、金沢21世紀美術館 地下1階のシアター21が舞台となりました。ライブハウスやクラブ、通常のギャラリーでは実現しえないパフォーマンス、演奏、上映、その他の企画が、アーティストやオーガナイザーの手で繰り広げられた。

「VOL.1」と題された今回の開催地は、レーベル拠点としてのスタジオとイベントスペースを兼ね備え、音楽シーンとアートカルチャーを横断的に発信する「ESŐ」。美術館の地下にあるシアター21から飛び出し、前回出演したアーティストのパフォーマンスを再構築する。
加えて石川・金沢のローカルのアーティストや11月にシアターで開催予定の「VOL.2」のプレゼンターであるSomewhere in Tokyoのクルーを招き、美術館とESŐ、そして街を行き来し、展示という概念を美術館の外へと拡張する。

プレゼンター:
Kazumichi Komatsu

angoisse (バルセロナ)、BUS editions (ロンドン)、flau (東京)、Manila Institute (ニューヨーク)、psalmus diuersae (サンフランシスコ)、REST NOW! (ミラノ)等、様々なレーベルやパブリッシャーより複数の名義で膨大な数の音源をリリースしている。
音や光といった振動/波を主な素材と看做し、情報伝達や保存プロセスの物質的・心理的距離を懐古や恐怖等の経験として扱う作品制作・研究を行う。

涌井智仁 / Wakui Tomohito


美術・舞台作品を中心に様々な媒体へ向けて楽曲を制作している。音楽というカテゴリー自体へ向けたエラー・グリッチの開発を基礎とし、非文法的な音楽作品を作っている。
近年の主な作品として、大橋可也&ダンサーズの舞台作品、Chim↑Pom from Smappa!Groupのレコードカタログ、吉開菜央監督「まさゆめ」への楽曲提供など。

SUNNOVA[サンノバ]


東京を拠点に活動する作曲家。ソロアーティストとして国内外のレーベルより作品を発表するほか、「Hiroya Tanaka」名義で映画音楽やファッションショーなどの楽曲制作も手がけています。2020年には、日本のオルタナティブバンド「downy」に加入し、サンプラーとシンセサイザーを担当。本公演では、音楽・映像・レーザーを組み合わせた立体的なパフォーマンスを披露します。

Masayoshi Suzuki[マサヨシ・スズキ]


東京・下高井戸にある実験スタジオ「Studio P.R.O」の主宰。ペインター、サーキットベンダー、立体造形家、編集者、音楽家と多面的に活動するアーティストです。モジュラーシンセを用いたライブ演奏では、自らとマシーンの一体化を目指すような独自の表現を追求しています。

PPTV


DJ / Composer 独自の観点で様々なコンテンツを昇華・融合し、空間に合わせた表現を行う。 舞台芸術の視点の拡張を提唱してきた” ANTIBODIES Collective “の参加や、MC LAS×鎮座DOPENESSのプロデュース、ミナミリョウヘイとのDJユニット” ナマスコワンツ “なども行っている。これまで数々のMIXCDや、eatrip SOIL、kappa堂などの共同作品もリリースしており、日野浩志郎(YPY)のレーベル<bbF>からも「Paradise Siberia」をリリース。

Somewhere in Tokyo DJs


「Total Chaos」をテーマにジャンル等の様々な境界を超え、新しい接点と価値を設計して実行するスカッドです。

SHINJI WAKASA[シンジ・ワカサ]


作曲家/アーティスト。CMや映画音楽、ファッションショー、アートエキシビションへの作品提供を行う一方で、自身のアーティストワークでは「静けさ」と「抑制」を意識し、響きとテクスチュアに根ざした音楽表現を追求しています。近年は「死と音楽の物質性」をテーマに、恐山でフィールドレコーディングした音像を用いたインスタレーション作品を発表。完全な暗闇と立体音響による空間で、音が知覚や記憶に作用する構造を探究しています。

NEP


金沢を拠点とするDJ。現場での抽象的なI/Oを楽曲や企画等の制作へと展開、逆方向への循環を繰り返すことで表現を続ける。
2021年、インディペンデントアートスペースNNにてスタジオESŐを設立。2024年にESŐを金沢市広坂へと移転し、同名レーベルの制作拠点を兼ねたコンセプトスペースとして拡張。

SIDE CORE[サイドコア]

photo: Shin Hamada

2012 年より活動を開始、東京都を拠点に活動。メンバーは高須咲恵、松下徹、西広太志。映像ディレクターは播本和宜。個人がいかに都市や公共空間のなかでメッセージを発するかという問いのもと、ストリートカルチャーの思想や歴史などを参照し制作する。ときに他ジャンルの表現者を交えたプロジェクトとして、 都市の死角や隙間となる場所で多彩な作品を展開。近年には、個展「SIDE CORE 展|コンクリート・プラネット」(ワタリウム美術館+屋外、2024)開催、第8回横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで生きてる」(横浜美術館ほか、2024)、「奥能登国際芸術祭2023」(2023年、 石川、珠洲市)。本館にて本年10月18日より大規模個展開催予定。

「PRESEN TATION」 ディレクター:

細野 晃太朗 | KOTARO HOSONO

photo: NAMPEI AKAKI

1986年東京都生まれ。 2013年にアートとファッション、音楽が交わるスペース「ANAGRA」を立 ち上げ、2016年まで企画・運営を務める。2021年、アパートの一室をセルフリノベーションした 完全予約制住所非公開の芸術鑑賞室「HAITSU」を立ち上げる。現在山梨県に移住し、都市ではで きない鑑賞や展示のあり方の提示として2024年に北杜のアート施設ガスボンメタボリズム内にギャラリー〇〇(ほにゃらら)を、2025年には自宅の離れをセルフリノベーションしたリビング型ギャラ リー「HAUSU」をオープン予定。
instagram : @dada_kotaro

ー「PRESEN TATION」 について
とあるフランスの美術館の地下で展覧会のオープニングの日にはパーティーが開かれる。
そんな話を友人から聞き、ずっと頭の中でその光景を想像していた。
美術館の地下をクラブさながらの真っ赤な照明で照らしてダンスミュージックで身体を揺らす。
なんて素敵な使い方だろうと思った。

地下のシアターを中心に美術館を一時的に開放しアーティスト、音楽家、舞踏家からオーガナイザー(企画者)やその他全ての表現者がこの空間をどのように捉え、表現するのか、PRESEN TATIONは、その提案の機会です。
そういった機会を創出し、様々な実験やプレゼンテーションを繰り返すことで土壌が耕され、その先に新たな美術館との付き合い方、そして美術館の在り方が生まれると信じています。

金沢21世紀美術館の地下にあるシアター21。ここはクラブでもライブハウスでもギャラリーでもありません。することによってどんな場所にでも変容するのです。
細野 晃太朗